資本取引(読み)シホントリヒキ

デジタル大辞泉 「資本取引」の意味・読み・例文・類語

しほん‐とりひき【資本取引】

企業会計で、損益発生以外の原因によって純資産増減をもたらす取引
国際間の取引のうち直接投資・延払信用・貿易信用・借款・証券投資など対外資産負債の増減をもたらす取引。

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精選版 日本国語大辞典 「資本取引」の意味・読み・例文・類語

しほん‐とりひき【資本取引】

〘名〙
国際収支における有価証券売買資金融通などによる債権債務の取引をいう。投資期間により長期資本取引短期資本取引に区別される。また、取引の区分により民間資本取引と政府資本取引に分けられる。⇔経常取引
企業払込資本の直接的増減をもたらす取引。⇔損益取引

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「資本取引」の意味・わかりやすい解説

資本取引
しほんとりひき

資本金および資本剰余金に増減変化をもたらす取引であり、損益取引に対立する概念である。資本取引と損益取引を区分することは、二つの意味で重要である。一つは期首における元本とそれを運用して得られた果実としての利益の区分であり、これは今日の企業会計の目的は適正な期間損益計算にあるという観点から、もう一つは株主の払込資本と留保利益の区分であり、これは企業の資本の源泉別の分類という観点から、それぞれ重要な意味をもつ。

[万代勝信]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「資本取引」の意味・わかりやすい解説

資本取引
しほんとりひき
capital transactions

国際間の経済的取引のうち,有価証券の売買,資本の貸借その他債権・債務に関係する取引をさす。その内容はさらに取引の主体によって民間資本取引と政府資本取引とに分れ,投資期間によって長期資本取引と短期資本取引とに分けられる。日本が一大資本大国・資本輸出国となるにつれて,日本からの資本の流れが世界の金融市場に影響を及ぼすようになり,資本取引の動向が注目されるにいたっている。

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会計用語キーワード辞典 「資本取引」の解説

資本取引

資本取引とは元本である資本などを増減させる取引のこと。

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世界大百科事典(旧版)内の資本取引の言及

【外国為替及び外国貿易法】より

…すなわち,外為法1条は,(1)外国為替および外国貿易などの対外取引は原則として自由であること,(2)対外取引に対して規制を行う際には,必要最小限の管理または調整にとどめるべきこと,を明文化した。 以上の趣旨から,資本取引は原則として自由とされ,例外的に,有事規制が定められている。これらの例外的規制を発動するには,(1)日本の国際収支の均衡維持が困難である,(2)外国為替相場が急激に変動する,または,(3)大量の資金移動により日本の金融市場または資本市場に悪影響がある,という要件が必要とされている(第21条)。…

※「資本取引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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