足紋(読み)そくもん

精選版 日本国語大辞典 「足紋」の意味・読み・例文・類語

そく‐もん【足紋】

〘名〙 指紋と同様に、足底にみられる模様。〔百万人の科学(1939)〕

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デジタル大辞泉 「足紋」の意味・読み・例文・類語

そく‐もん【足紋】

足の裏に見られる、指紋のような皮膚凹凸足底紋。また、広く足跡をいうこともある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「足紋」の意味・わかりやすい解説

足紋
そくもん

足の裏(足底)にみられる皮膚隆線と皮膚小溝によって形成される紋理をいい、足底紋、足蹠紋(そくしょもん)ともよぶ。裸足の足跡(足型foot mark)、さらには履き物跡をも含めた広義の足跡を意味することもある。足紋は、同じ皮膚紋理でも指紋、手紋に比べて未分化の傾向にあり、また、印象(足形)のとりにくさもあって、実際上の応用範囲は限定されている。しかし、足紋は指紋と同じく万人不同、終生不変であるため、絶対的な正確さで各個人の識別が可能である。足紋自体は遺伝子によって支配、表現される遺伝形質であるが、その遺伝様式は他の皮膚紋理と同様に解明されていない。なお、相対的な類似性、特定紋様の出現性などに着目し、親子鑑定に利用することもあるが実用性に欠ける。なお紋理分布には民族差がみられる。また、染色体数の異常である18トリソミー患者では紋様の識別不能な足紋がみられるなど種々の先天性異常と皮膚紋理との関係が判明し、現在では指紋、掌紋をも含めた皮膚紋理学として人類遺伝学、人類学、臨床医学の分野で研究、応用されている。

 足紋の基本的分類は次のとおりである。(1)足母指球部(第1指間+母指球遠位側)にみられる足母指球紋形態および方向によって、たとえばLb(遠位側蹄状紋(えんいそくていじょうもん))、Lt(脛側蹄状紋(けいそくていじょうもん))、At(腓側弓状紋(ひそくきゅうじょうもん))、W(渦状紋)などと分類、記号化する。(2)指間紋は3区域について紋理の有無、形態を記録する。(3)足指三叉(さんさ)は手掌と同じく、主線の走向によって分類する。なお、人によっては母指に対応する三叉のほか、中央部近くにも三叉がみられることもある。(4)小指球(腓側)紋の有無、形態を記録する。(5)踵紋(しょうもん)の有無、形態を記号化し分類する。記載にあたっては、(1)~(5)の順で進められる。

[小谷淳一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「足紋」の意味・わかりやすい解説

足紋
そくもん

足の裏の皮膚紋理。普通足底の紋理をさすが,足指の紋理 (趾紋) を含めることもある。足指の紋理は,弓状紋,蹄状紋,渦状紋に分類されるが,指紋とは形態がやや異なる。足底の紋理としては,手掌と同様,指の基部に三叉が存在する。また,母指の基部に,蹄状紋,渦状紋を主とする母指球紋が出現し,まれに小指球部に紋理が現れることもある。遺伝形質であるが,遺伝形式は明らかでない。

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世界大百科事典(旧版)内の足紋の言及

【指紋】より

…指や手のひら,足底の皮膚に浮きでるように走るたくさんの線状の隆起を皮膚隆線または単に隆線といい,隆線上には汗腺が並んで開口している。この隆線が指頭でつくる紋理(紋様)またはこの紋理を捺印した像を指紋という(ちなみに手のひらや足底にみられる紋理はそれぞれ掌紋,足紋といわれる)。指紋は万指不同,終生不変であるので,身元不明者の身元確認,犯罪者の異同(個人)識別などに応用されている。…

※「足紋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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