都合(読み)つごう

精選版 日本国語大辞典 「都合」の意味・読み・例文・類語

つ‐ごう ‥ガフ【都合】

〘名〙
① (━する) 合うこと。合わせること。合計すること。また、その合計。総計。副詞的にも用いる。
正倉院文書‐天平六年(734)一二月二四日・尾張国正税帳「都合定穀参万伍佰伍拾参斛伍升玖合」
※保元(1220頃か)上「父子五人、並びに多田蔵人大夫頼憲、都合二百余騎にて固めたり」
※信心録(ヒイデスの導師)(1592)三「過去現在未来の人の科の数を都合(ツガウ)する時んば、無量なり」
物事曲折を経て落ち着くところ。つまるところ。副詞的にも用いる。
※こんふえっしょなりうむ(懺悔録)(1632)「始めは、よもよもと申して貶毀したれども、都合いひつめられて」
③ (━する) 工面すること。算段すること。また、その算段。やりくり。てはず。
黄表紙・孔子縞于時藍染(1789)上「どうぞどうぞ盆前には御つがふあそばし、せめて七十両ばかりも御つかひくだされかし」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「どうかトチメンボーを都合して食はせてもらう訳には行くまいか」
④ ぐあい。状況。状態。事情
洒落本傾城買四十八手(1790)真の手「けふいっちゃア都合がわるひけども」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「是れでもお天気都合(ツガウ)が悪いと、休みが勝ますからね」
⑤ (形動) ぐあいのよいさま。また、そういう場所
※歌舞伎・夢結蝶鳥追(雪駄直)(1856)二幕「へい駕籠、へい駕籠。もし御都合(ごツガフ)まで参りませうか」
※細君(1889)〈坪内逍遙〉三「邸の名前を出さずに済むなら、それほど都合な事はない」

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デジタル大辞泉 「都合」の意味・読み・例文・類語

つ‐ごう〔‐ガフ〕【都合】

[名](スル)
何かをするときにほかの物事に影響を及ぼす事情。わけ。「一身上都合により退職いたします」
ぐあいがよいか悪いかということ。「今日はちょっと都合が悪い」
やりくりをすること。繰りあわせること。
予定を調整すること。「なんとか都合をつけて出席しましょう」
金銭を融通すること。「期日までに資金都合する」
(副詞的に用いて)すべて合わせて。合計。「都合5人が参加する」
[類語](2具合/(3やりくり切り盛り金繰り工面捻出算段まかなう繰り合わせ融通/(4合わせて締めて

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普及版 字通 「都合」の読み・字形・画数・意味

【都合】とごう

合計。

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