銭札(読み)ゼニサツ

デジタル大辞泉 「銭札」の意味・読み・例文・類語

ぜに‐さつ【銭札】

江戸時代から明治初期にかけて諸藩で発行した藩札の一。銭高で額面を表示した。

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精選版 日本国語大辞典 「銭札」の意味・読み・例文・類語

ぜに‐さつ【銭札】

〘名〙 江戸時代から明治初期にかけて各地で発行した紙幣のうち銭高で額面を表示したもの。江戸時代の紙幣は銀貨兌換(だかん)銀札が圧倒的に多く、銭札は元祿年間(一六八八‐一七〇四)に陸奥国仙台会津の両藩の藩札に例があるほか、他にあまり多くを見なかったが、江戸末期からようやく各地で発行されるようになった。明治にはいってからは丁銀豆板銀の通用停止により、銀札は銭札に改められ、新規発行がなくなったので、銭札が金札とともに当時の流通主体と変わった。
御触書寛保集成‐三二・宝永四年(1707)一〇月「金銀銭札遣之所々も有之候て、札遣無之処通用之ため不宜候条」

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世界大百科事典(旧版)内の銭札の言及

【藩札】より

…1871年(明治4)の調査によると,全国諸藩の約80%にあたる244藩で藩札を発行していた。藩札は幕府貨幣の三貨との関係から,金札,銀札,銭札が見られたが,銀札が最も多い。そのほか米札,糸(かせいと)札,轆轤(ろくろ)札,鯣(するめ)札,昆布札などの特殊なものがあった。…

※「銭札」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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