雲放電(読み)クモホウデン

デジタル大辞泉 「雲放電」の意味・読み・例文・類語

くも‐ほうでん〔‐ハウデン〕【雲放電】

雷雲内部、または雷雲と外部大気との間で起こる放電。→対地放電

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雲放電」の意味・わかりやすい解説

雲放電
くもほうでん
intra-cloud discharge

雷雲の中でおこる放電。雲内放電(うんないほうでん)ともいう。雷雲の中では絶えず電荷分離が行われていて、この結果、雲の一部に正電荷が蓄積し、他の一部に負電荷が蓄積する。この蓄積量が限度を超えると、両者の間に放電がおこり、正負の電荷が雲の中で中和する。これが雲放電である。これに対して、雲と大地との間におこる放電は落雷ということばで区別される。雲放電のおこる頻度は落雷のそれより一般に高い。

[三崎方郎]

『北川信一郎著『雷と雷雲の科学――雷から身を守るには』(2001・森北出版)』

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世界大百科事典(旧版)内の雲放電の言及

【雷】より

…この電荷分離は-20~-40℃の低温域で行われているので,氷と氷の接触する界面現象に起因すると考えられている。
[落雷と雲放電,電光の形態]
 図3に示す雲中の負電荷と,地表に誘導される正電荷との間に起こる放電が,落雷であり,雲中の正負両電荷の間の放電は雲放電とよばれる。背の低い冬の雷雲では,上部の正電荷と地表との間で放電を起こす落雷もしばしば発生する。…

※「雲放電」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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