高等文官試験(読み)コウトウブンカンシケン

デジタル大辞泉 「高等文官試験」の意味・読み・例文・類語

こうとうぶんかん‐しけん〔カウトウブンクワン‐〕【高等文官試験】

旧制で、高等文官資格を得るための国家試験高等試験高文

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精選版 日本国語大辞典 「高等文官試験」の意味・読み・例文・類語

こうとうぶんかん‐しけん カウトウブンクヮン‥【高等文官試験】

〘名〙 旧制の高等文官の任用資格試験。行政科、外交科、司法科の総称。高等試験。高文。
郵便報知新聞‐明治二六年(1893)一〇月二一日「元来指定学校なるものは即ち司法部に入る丈けの資格にして、高等文官試験の資格を得るにあらざれば」

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「高等文官試験」の解説

高等文官試験
こうとうぶんかんしけん

第2次大戦前の上級官吏任用試験。正しくは文官高等試験で,高文と略称。1887年(明治20)に導入されて奏任官任用の要件となり,93年の文官任用令で帝国大学法科・文科卒業生の無試験任用特典が廃止されて確立。満20歳以上の男子が有資格者で,年1回試験。憲法などの法律必修科目,選択科目の筆記口述試験が行われた。合格者は大学および高文の成績と本人の志望によって各官庁に採用された。任用試験制度機会均等の役割をはたした反面学歴・学閥社会を形成することにもなった。第2次大戦後は国家公務員法にもとづく人事院の公務員上級試験に移行した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高等文官試験」の意味・わかりやすい解説

高等文官試験
こうとうぶんかんしけん

第2次世界大戦前の高等官に任用される資格試験のことで,特権官僚の登竜門とされた。 1887年には文官試験試補及見習規則が公布され,奏任官に高等試験が実施されることになったが,当初,帝国大学法科大学,文科大学卒業生は試験を免除されていた。 93年に文官任用令,文官試験規則が制定され,奏任官への任用は原則として高等文官試験によることとされ,無試験制度は廃止された。しかし帝国大学法科卒業生は試験科目,試験委員などにおいて圧倒的に有利な立場を占め,特権官僚の中核を形成した。

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世界大百科事典(旧版)内の高等文官試験の言及

【公務員試験】より

…アメリカも猟官制度spoils systemを改革し,公開競争試験を規定した公務員法(ペンドルトン法)が83年に成立した。 日本では,87年に〈文官試験試補及見習規則〉が公布され,翌年には奏任官には高等試験(高等文官試験。いわゆる高文),判任官には普通試験が実施されるようになった。…

※「高等文官試験」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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