精選版 日本国語大辞典 「高脂血症」の意味・読み・例文・類語
こうしけつ‐しょう カウシケツシャウ【高脂血症】
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血液中に脂肪が増加した病的状態をいう。脂肪としては通常コレステロールとトリグリセリドを指す。高脂質血症hyperlipidemiaもほぼ同義語として用いられる。脂肪は血液中でアポリポタンパク質と複合体を形成して存在しているので,近年その複合体の質的異常としてとらえ,高リポタンパク質血症hyperlipoproteinemiaの名称がよく使われている。高リポタンパク質血症は成因によって家族性と続発性とに大別される。家族性高リポタンパク質血症はⅠ型からⅤ型に分類され,Ⅰ型はリポタンパク質リパーゼの先天的欠損によるカイロミクロン血症を特徴とし,Ⅱ型はLDL(低比重リポタンパク質)受容体の欠損に基づく高コレステロール血症である。Ⅲ型ではアポEに異常があって,コレステロールもトリグリセリドも増加する。Ⅳ型は高トリグリセリド血症,Ⅴ型はカイロミクロンと超低比重リポタンパク質とがともに増加する。続発性高リポタンパク質血症は糖尿病のほか甲状腺,肝臓,腎臓などの臓器の疾患に合併して起こる。
執筆者:村勢 敏郎
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従来、中性脂肪(トリグリセライド、トリグリセリド)数値、コレステロール数値、あるいはHDLコレステロール(高比重リポタンパクコレステロール)数値の異常を高脂血症と総称していたが、HDLコレステロール数値は分けて考えるべきという指摘と、欧米の慣習を取り入れて脂質異常症とされた。
[中村治雄・編集部]
(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)
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…ところが,脳卒中の内容をみると,脳梗塞による死亡が3.9人から59.8人と約15倍に増えてきており,70年に脳出血と脳梗塞の比がついに逆転した。(94年の虚血性心疾患の対10万年死亡率は74人,脳卒中は97人,うち脳梗塞は54.4人である)このように,近年日本においても虚血性心疾患や脳梗塞,いいかえれば動脈硬化性疾患が増加の一途をたどっているという事実は,大都市の一部において食餌性の高脂血症に伴った虚血性心疾患がみられ,しかも30歳代の心筋梗塞をしばしば経験するようになったことからも十分うなずける。
[動脈硬化の危険因子]
動脈硬化症の成因は多元的なものとみなされており,高脂血症などの体液因子,血管壁の代謝異常や高血圧による局所的因子,食事組成やストレスなどの社会文化的条件,それにこれら多元的な因子の根底に遺伝的因子が存在している。…
※「高脂血症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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