鳥柴(読み)トシバ

デジタル大辞泉 「鳥柴」の意味・読み・例文・類語

と‐しば【×柴】

鷹狩りの獲物を人に贈るとき、その鳥を結びつけた木。初めは柴につけたが、のち季節に応じて松・梅・桜・かえでなどの枝を用いた。鳥付け柴。とりしば。

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精選版 日本国語大辞典 「鳥柴」の意味・読み・例文・類語

とり‐しば【鳥柴】

〘名〙 鷹狩りで捕えた鳥を人に贈るとき、結び添えてやる木の枝。としば。《季・冬》
夫木(1310頃)五「つれもなき人の心をとりしばにこがねのきぎすつけえてしがな〈源仲正〉」

と‐しば【鳥柴】

〘名〙 鷹狩の獲物を人に贈る時、その鳥を結びつけた木。はじめは柴につけたものが、後に季節に応じて梅・桜・楓・松などの枝を用いるようになった。鳥付け柴。とりしば。《季・冬》
※鷹三百五十一首「暮れて行としはの雉をあらたまの春や桜の枝につけまし」

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世界大百科事典(旧版)内の鳥柴の言及

【クロモジ(黒文字)】より

…長野県鬼無里ではこの木のはしは虫歯を防ぐとしている。東北地方一帯のほか京都や越後では,トリキとかトリシバ(鳥柴)ともよばれる。鳥柴は〈としば〉とも読み,鷹狩りの獲物の鳥を贈る際,それを結びつける枝をいい,クロモジの枝が多く使用されたことによる。…

【クロモジ(黒文字)】より

…長野県鬼無里ではこの木のはしは虫歯を防ぐとしている。東北地方一帯のほか京都や越後では,トリキとかトリシバ(鳥柴)ともよばれる。鳥柴は〈としば〉とも読み,鷹狩りの獲物の鳥を贈る際,それを結びつける枝をいい,クロモジの枝が多く使用されたことによる。…

※「鳥柴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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