/面疔(読み)せつめんちょう(英語表記)Furuncle

家庭医学館 「/面疔」の解説

せつめんちょう【/面疔 Furuncle】

[どんな病気か]
 毛孔(もうこう)から細菌が侵入し、その毛孔を中心に化膿性(かのうせい)病変ができたものです。原因は黄色(おうしょく)ブドウ球菌(きゅうきん)という化膿菌(かのうきん)の感染です。
 癤が顔にできた場合を面疔といい、症状が強くなります。
[症状]
 円錐形(えんすいけい)の赤い盛り上がりができ、痛みます。その頂点に膿(うみ)をもった点ができますが、毛孔と一致した場所では毛が膿の中を貫いています。はじめは硬いのですが、しだいに軟らかくなり、膿汁(のうじゅう)がたまるとぶよぶよになります。そのうち、中央の膿点から膿が自然に流れ出し、最後には芯(しん)(組織の破壊されたもの)が出て治っていきます。膿が排出されると、痛みも腫(は)れも急速に消えていきます。
[治療]
 黄色ブドウ球菌に効く抗生物質を内服します。熟して軟らかくなったものは切開して膿を排出します。冷やすと炎症は早く引きますが、かたまりがしばらく残ります。
 膿にはたくさんの黄色ブドウ球菌が含まれていますから、自分の皮膚の他の場所はもちろん、周囲につかないよう気をつけます。くびや顔に大型の癤ができたときは安静にしていましょう。
 とくに癤がくり返しできる場合(癤腫症(せつしゅしょう))は、皮膚を清潔にすることがとてもたいせつです。鼻の中に黄色ブドウ球菌がすみついている場合は、抗生物質軟膏(なんこう)を使って除菌します。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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