《アシーンの放浪》(読み)あしーんのほうろう

世界大百科事典(旧版)内の《アシーンの放浪》の言及

【アイルランド文学】より

…彼がここに集成したアルスター伝説群には,王コノハーの奸智,デアドラの悲恋,英雄クーフリンの武勲などをめぐる物語が含まれており,イェーツ,グレゴリー夫人,シングをはじめ,G.W.ラッセル(筆名AE),J.スティーブンズらの文学者にかっこうの素材を提供することになった。イェーツはフィニア伝説群にも題材を見いだし,フィンの息子を主人公とする長編詩《アシーンの放浪》(1889)において,この英雄が妖精ニーアブとともに西方の魔法の島々をめぐり,300年を経て故郷へ帰るという幻想的な物語を,繊細巧緻な韻文で語り,詩人としての地位を確立した。また,地方農民の間に伝わる民話,妖精譚のたぐいを収集し,《ケルトの薄明》(1893)ほかの民話集におさめて,種族の記憶の保存に努めた。…

【イェーツ】より

…のちに詩神とも〈宿命の女〉ともなる愛国者で女優のモード・ゴンMaud Gonneを知ったのもこの時期であった。1889年,ケルト文化特有の非現実への憧れにみちた処女詩集《アシーンの放浪》を出版。良きパトロンのグレゴリー夫人と語らって,99年アイルランド文芸劇場(のちにアイルランド国民劇場協会)を設立。…

※「《アシーンの放浪》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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