《ウォイツェック》(読み)うぉいつぇっく

世界大百科事典(旧版)内の《ウォイツェック》の言及

【ウォツェック】より

…G.ビュヒナー原作,A.ベルク作曲による20世紀オペラの傑作の一つ。ベルクは1914年にビュヒナーのドラマ《ウォイツェックWoyzeck》の上演に接し,ビュヒナーの原作をもとにみずから台本を作成して作曲を開始し,ベルクの最初のオペラ作品として,1925年12月14日にベルリン国立歌劇場で初演された。床屋あがりの無力な兵士ウォツェックは,平凡な妻マリーを愛しているが,男ぶりのよい鼓手長に妻を寝とられてしまい,マリーをナイフで殺害し,みずからも池に入って死んでしまう。…

【近代劇】より

… だが今日からみて,近代劇の先取りとすべきは,社会問題意識や人間心理の洞察の深さにもかかわらず,当時は世に認められなかったドイツのJ.M.R.レンツ,H.vonクライスト,G.ビュヒナー,フランスのL.C.A.deミュッセ,P.メリメなどであろう。とくに夭逝したビュヒナーの《ウォイツェック》は19世紀後半に原稿が発見され,下層民を主人公とした自然主義の先駆作品として評価されたが,もう一つの《ダントンの死》とともに,20世紀になってからは現代演劇の先取りともみなされてくる。彼と同年生れのC.F.ヘッベルは近代特有の運命悲劇の可能性を唱えた。…

【ビュヒナー】より

…ドイツの劇作家,自然科学者。ヘッセン州ダルムシュタット近郊の医者の息子。1831年,医学と自然科学を学ぶため,シュトラスブルク大学に入学,革命的雰囲気とさまざまな思想に触れる。2年後,ヘッセンのギーセン大学に移り,34年ギーセンに革命的秘密結社〈人権協会〉を設立,農民に政府打倒の決起を促す文書《ヘッセンの急使Der hessische Landbote》を起草する(プロテスタントの牧師ワイディヒが修正。…

※「《ウォイツェック》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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