《エデンの東》(文学)(読み)えでんのひがし

世界大百科事典(旧版)内の《エデンの東》(文学)の言及

【スタインベック】より

…ごうごうたる賛否両論の渦まく中でピュリッツァー賞を授与され,彼の名を国際的にも高からしめた代表作《怒りの葡萄》(1939)も,貧窮農民の共闘の様を伝える迫真的描写の底から,彼らをも包摂して動いてゆくアメリカ社会と人類全体の永遠の歩みに信頼を寄せる作者の楽天的人間観と生命賛歌が聞こえてくる。《月は沈みぬ》(1942)に始まる第2次大戦後の彼の文学的営為に対しては,その衰退を指摘するのが一般であるが,南北戦争から第1次大戦に至るアメリカ社会の変遷に自身の家系を絡め,原罪意識からの人間解放を旧約聖書の物語に託して語ろうとした大作《エデンの東》(1952。ジェームズ・ディーンの登場で評判を呼んだエリア・カザン監督の同名の映画はこの第4部に基づく),1962年度ノーベル文学賞授与の契機となった《われらが不満の冬》(1961)など,不評に抗する意欲は熾烈であった。…

※「《エデンの東》(文学)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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