《クニドスのアフロディテ》(読み)くにどすのあふろでぃて

世界大百科事典(旧版)内の《クニドスのアフロディテ》の言及

【アフロディテ】より

…崇拝の中心地はキプロス島,キュテラ島,および彼女が売淫の女神としてまつられていたコリントスが名高い。美術では,プラクシテレス作の《クニドスのアフロディテ》(前350ころ)が古代に最も高い評価を得た彫刻であったが,ローマ時代の模刻しか伝わらない。1820年にメロス島で発見されたアフロディテ像《ミロのビーナス》は,ヘレニズム期の傑作としてあまりにも有名。…

【ギリシア美術】より

…いわゆる〈優美な様式〉の成立である。この時代,アテナイのプラクシテレスは《クニドスのアフロディテ》において初めて女神を全裸の姿で表現し,《トカゲを殺すアポロン》や《オリュンピアのヘルメス》において,親しみあふれる人間的な神の形姿を創造した。パロス島出身のスコパスは,《ポトス(あこがれ)》や《狂乱のマイナス》などの作品で人間の激しい内面的感情の高まりを表すことに成功した。…

【プラクシテレス】より

…小アジアの港町クニドスの住民が買い取った彼のアフロディテ像は,愛の女神を全裸で表した最初の彫刻作品であった。古代世界に広く喧伝され,女性美の規範とされたこの女神像《クニドスのアフロディテ》の原作は失われてしまったが,50点を超える模刻像がのこされており(バチカン美術館その他),多くの研究者によってその復元が試みられている。同じく模刻像だけでのこる作品《蜥蜴(とかげ)を殺すアポロン》(バチカン美術館その他)は,かたわらの樹に寄り掛かり,その樹にはい上るトカゲを戯れに殺すアポロンを,成熟しきらぬ少年の優雅な姿で表したものであった。…

※「《クニドスのアフロディテ》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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