世界大百科事典(旧版)内の《ヰタ・セクスアリス》の言及
【森鷗外】より
…《スバル》《三田文学》など,耽美主義の拠点となった雑誌の精神的支柱として自然主義と対立したが,自身の作風はロマンティシズムの枠をこえて,はるかに多彩だった。自己の性欲史を冷徹に点検,叙述した《ヰタ・セクスアリス》(1909)は発禁処分を受けて話題になったが,身辺の事実に題材を求めた短編も多い。かつての戦闘的な啓蒙性は影をひそめ,作風は総じて玲瓏(れいろう)かつ端正で,口語体に統一された文体も格調が高い。…
※「《ヰタ・セクスアリス》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」