《一酸化鉛の有害煙気による病気と鉱夫肺労》(読み)いっさんかなまりのゆうがいえんきによるびょうきとこうふはいろう

世界大百科事典(旧版)内の《一酸化鉛の有害煙気による病気と鉱夫肺労》の言及

【産業衛生】より

…16世紀のG.アグリコラの著書《デ・レ・メタリカ》には,すでに鉱山における科学的な研究の体系が記されているが,そのなかには坑内の排水,換気などの環境整備のための衛生工学の実際,坑内の環境や労働の非衛生的な状態による災害や病気の生々しい記録が詳細に記され,鉱山を維持するための工学,衛生学,社会経済学の総合の必要性が述べられており,産業衛生の基本的認識がすでにできあがっていることがうかがえる。同じころパラケルススの《鉱夫病とその他の鉱山病》(1533‐34),ついでシュトックハウゼンの《一酸化鉛の有害煙気による病気と鉱夫肺労》(1656)が著され,やがてイタリアのラマッツィーニBernardino Ramazzini(1633‐1714)の《働く人々の病気De morbis artificum diatriba》(1700)が現れ,ヒッポクラテス以来の職業と健康に関する知識が集大成された。ほぼ同時代の日本には,佐渡の金山で,坑内の換気のために通気坑を3年がかりで掘ったという記録(1663)や,珪肺(よろけ)の記録(1756)があるが,産業の規模は小さく,産業衛生活動はヨーロッパとは比べられないほど遅れていた。…

※「《一酸化鉛の有害煙気による病気と鉱夫肺労》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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