《人間精神の進歩》(読み)にんげんせいしんのしんぽ

世界大百科事典(旧版)内の《人間精神の進歩》の言及

【進歩】より

…いわゆる新旧論争を経て,近代文化が少なくともその合理的側面に関しては,古代よりも高いところまで到達した,あるいは将来そうなる可能性をもつ,という信念のうえに,はじめて〈進歩の観念〉が成立する。パスカルが人類史を個人の学習過程になぞらえたように,デカルト的な〈理性〉,F.ベーコン的な〈力としての知〉をよりどころとして,人間は歴史の主人公となり,歴史はコンドルセの《人間精神の進歩》(1795)に見られるように,人間の無限の完成可能性をめざす進歩の運動として把握されるようになる。このように〈進歩の観念〉は,古代および中世の克服という理念に根ざした近世的な観念だが,翻せば,直線的な時間観,終末論的歴史観が優勢なキリスト教の土壌にこそ生じ得るもので,その意味ではヨーロッパ世界に特殊な思想ということができよう。…

※「《人間精神の進歩》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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