《回想録》(カサノーバ)(読み)かいそうろく

世界大百科事典(旧版)内の《回想録》(カサノーバ)の言及

【カサノーバ】より

…カサノーバはその生涯であらゆる種類の人間――君主,貴族,文人,自然科学者,画家,役者,ペテン師,放蕩者,そして貴婦人から下女にいたる女たち――と交わり,抜けめのない才覚と,遠慮を知らぬモラル,深くはないが広い教養を武器に,放縦な日々を送った。膨大な量にのぼる小冊子,随筆,書簡,逸話集,空想的な小説《イコザメロン》(1788)ほかの散文,翻訳,詩を残したが,著述家としてのカサノーバの名声は,ひとえに,1791年から98年にドゥクスの城でフランス語で書かれた《わが生涯の物語(回想録)》によっている。エロティックな情事の記述が全編に行き渡る彼の《回想録》は,芸術作品としてよりもむしろ,18世紀ヨーロッパ社会の風俗と人びとをとらえた特異なドキュメントとしていまなお生きている。…

※「《回想録》(カサノーバ)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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