《教育と宗教との衝突》(読み)きょういくとしゅうきょうとのしょうとつ

世界大百科事典(旧版)内の《教育と宗教との衝突》の言及

【井上哲次郎】より

…哲学者としては,〈我世界観の一塵〉(1894),〈認識と実在との関係〉(1901)などで,現象即実在論を主張し,《日本陽明学派之哲学》《日本古学派之哲学》《日本朱子学派之哲学》の三部作(1900‐05)が特筆される。しかし,明治思想界にあっては,《勅語衍義》(1891)で教育勅語を注釈し,《教育と宗教との衝突》(1893)でキリスト教を反国体的であると攻撃し,《国民道徳概論》(1912)で国民道徳を主張するなど,一貫して天皇制国家主義のイデオローグとして終始した学者として知られている。【佐藤 能丸】。…

【内村鑑三不敬事件】より

…教育勅語発布後に発生した,同勅語に対する不敬事件として,最初にしてかつ最も有名な事件。キリスト教信仰が近代天皇制国家理念と相容れない反国家性を持つものと非難された,近代日本キリスト教受難史上の一事件でもある。 1890年(明治23)10月30日に発布された教育勅語について文部省は直ちにその謄本を作成して,全国の国公私立の学校に配布することとした。当時の文部省直轄学校へは明治天皇の〈宸署〉(直筆による署名と天皇〈御璽〉を押印)謄本が下付されることになり,内村鑑三が嘱託教員として勤務していた第一高等中学校へは同年12月25日にそれが下付された。…

※「《教育と宗教との衝突》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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