世界大百科事典(旧版)内の《日本国志》の言及
【清】より
…そうしたなかにあって1877年,初代駐日公使何如璋について来日した黄遵憲は,明治初期の日本に起こりつつあった変化を理解しようとした最初の中国人であった。黄遵憲が数年間の滞日経験をもとに書き記した《日本国志》(1887)の中では明治維新が高く評価されており,のちに制度改革を唱えた康有為,梁啓超らの指導した変法運動(戊戌変法)への思想的影響がうかがえる。 1894‐95年の日清戦争における清国の敗北によって,中国の知識人の日本認識は一変した。…
【中国】より
…もとはといえば日本人が欧米の文物を摂取しようとして苦心して作り出したものであるが,さらにまたそのもとはといえば,中国から輸入した漢字というものの存在と,儒教の書物などによってあらかじめ理論的抽象的思考の能力が養成されていたこととのおかげである。かくて,歴史上初めて本格的な日本研究書《日本国志》(黄遵憲著)が出現し,明治維新にならおうとする政治改革運動が起こった。留学生は日本に殺到した。…
※「《日本国志》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」