《磻渓随録》(読み)ばんけいずいろく

世界大百科事典(旧版)内の《磻渓随録》の言及

【実学】より

…本来の李朝の政治は士=儒者による文治主義がとられたため,儒者間の分裂と対立は,そのまま民生問題を置きざりにした政治的混乱の原因となった。 17世紀半ばに柳馨遠(りゆうけいえん)は,《磻渓(ばんけい)随録》において社会制度の歴史的考察とその改革案を展開して実学思想の体系化をはかり,それは18世紀前半期に李瀷(りよく)に受けつがれて,その門から輩出した安鼎福,尹東奎(いんとうけい),李家煥,丁若鏞(ていじやくよう)らによる経世致用学派=星湖学派(星湖は李の号)を形成した。当時,士大夫たちは老論,少論,南人,北人の四色党派に分かれていたなかで,星湖学派は南人派に属する。…

【柳馨遠】より

…村民に飢饉に備えた食糧の備蓄,緊急時のための造船や馬の飼育を指導したり,隣人や奴僕などとも身分を超えて交際するなど,その実学の思想を実践した。多くの著作のうち現伝するものは《磻渓随録》のみであるが,この書は田制を基本とし,教選(官僚の養成と選抜),任官,職官,禄制,兵制などについて歴史的に考証し,公田制による土地均分などの改革案を展開している。1770年に英祖の特命で刊行され,後世に伝わる。…

※「《磻渓随録》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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