《織匠》(読み)おりしょう

世界大百科事典(旧版)内の《織匠》の言及

【ドイツ映画】より

…しかし,ルビッチの例がそのさきがけであったが,すぐれた脚本家,監督,カメラマン,俳優がアメリカの映画資本によってハリウッドに吸収され,さらにナチズムの台頭とともに有能な映画人が追放されて,黄金時代は短命に終わった。それでもドイツでは自由契約制度や貸しスタジオの設備が発達していて,良心的映画作家たちは独立プロダクションを設立し,大資本の制約をのがれて映画をつくる自由が残されていたため,G.W.パプストは,敗戦後のウィーンを描いた《喜びなき街》(1925)や,ルイズ・ブルックスを映画史に残るスターにした《パンドラの箱》(1928)および《淪落の女の日記》(1927)などをつくり,また,ゲアハルト・ランプレヒト監督《第五階級》(1925),ハウプトマンの劇によるフリードリヒ・ツェルニーク監督《織匠》(1927)など社会の冷酷な現実を描いた作品もつくられた。
[トーキー時代――トビス社の設立とパプスト監督の活躍]
 トーキーは,アメリカより約3年遅れて出発したが,まもなくドイツ独自のトーキー・システム〈トビス・クラングフィルムTobis‐Klangfilm式〉が完成され,1929年ころから本格的な製作が始まり,同時に高度なトラスト化が進んでウーファとトビスTobisの二大映画会社が市場を支配した。…

※「《織匠》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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