《豆腐百珍》(読み)とうふひゃくちん

世界大百科事典(旧版)内の《豆腐百珍》の言及

【豆腐】より

…京都の南禅寺湯豆腐,江戸根岸の笹(ささ)の雪も評判の店で,〈南禅寺何こちらにも笹の雪〉と江戸の川柳子は力んでいる。こうして1782年(天明2)には約100種の豆腐料理を記載した《豆腐百珍》が刊行され,その好評に乗じて《豆腐百珍続編》《豆腐百珍余録》が続刊されるほどであった。
[料理]
 豆腐は,植物性食品の中ではタンパク質,脂質を多く含み,消化吸収のよいすぐれた食品である。…

【料理書】より

…《歌仙の組糸(くみいと)》《料理山海郷(さんかいきよう)》《献立筌(こんだてせん)》などがそれで,料理名や献立の決定などに“遊び”が見られる。さらに天明(1781‐89)から寛政(1789‐1801)期には,1種の材料に対して100の料理法を記し,素材に関する和漢の文献を集めて知的興味を満足させるような《豆腐百珍》《甘藷百珍(いもひやくちん)》や鯛,ユズ,大根,卵などの料理秘密箱シリーズの百珍物が盛行し,中国料理の影響をうけた卓子料理の《八僊卓燕式記(はつせんたくえんしきき)》《卓袱会席趣向帳(しつぽくかいせきしゆこうちよう)》なども刊行された。一方,《都鄙安逸伝》など救荒対策のための糅物(かてもの)の書も作られ,それとは対照的に,江戸の最高級料亭のぜいを尽くした献立を中心記事とする八百善主人の《料理通》が,高名な文人,画家の序文,口絵に飾られて刊行された。…

※「《豆腐百珍》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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