《農耕詩》(読み)のうこうし

世界大百科事典(旧版)内の《農耕詩》の言及

【ウェルギリウス】より

…ウェルギリウスは前42年ころから手がけていたこの詩集を前39年ころに刊行して文壇に登場し,その名声を早くも不動のものとした。 第2作の《農耕詩》全4巻は約7年の歳月をかけて前29年ころに完成した。これは叙事詩の韻律で書かれた教訓詩で,第1巻は穀物の耕作,第2巻は果樹とブドウの栽培,第3巻は牧畜,第4巻は養蜂をそれぞれ主題としている。…

【ラテン文学】より

…しかしローマの現状と将来に対する憂慮と関心が示され,救世者アウグストゥスの下で時代が生まれ変わるという彼の終生のテーマが早くも芽生えている。次の《農耕詩》では,アレクサンドリア派が偏重したヘシオドスに範を取った点と,農夫をエピクロス的賢者に比する点にヘレニズム精神をみせながらも,祖国イタリアをたたえ,黄金時代を継承する農業に真の人間性の発露をみるとともに,アウグストゥスによる内乱の収束と平和の建設をたたえている。叙事詩《アエネーイス》は初めから新時代の到来を祝う目的で着手された。…

※「《農耕詩》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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