《開元天宝遺事》(読み)かいげんてんぽういじ

世界大百科事典(旧版)内の《開元天宝遺事》の言及

【玄宗】より

… この盛世はしかし,新しい時代の到来という現実に対処しながらも,崩れゆく貴族社会への回帰,立て直しを志向する矛盾に満ちた政策,悪くいえば姑息な策を弄してバランスを保ったつかの間の輝きであったともいえる。唐末五代の王仁裕の《開元天宝遺事》が伝える華麗な宮廷生活,盛唐の詩人たちがうたいあげる長安の栄華にかくれて,農民の窮乏は深刻となり財政は迫しつつあった。過渡期の不安を象徴するかのように,中央では貴族出身の官僚と新興勢力である科挙出身官僚との対立が激しく,また募兵制の採用により各地に配置された節度使,とりわけ貴族出身の宰相李林甫が保身のために利用した異民族出身の節度使たちが勢力を拡大していた。…

※「《開元天宝遺事》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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