《阿国歌舞伎図屛風》(読み)おくにかぶきずびょうぶ

世界大百科事典(旧版)内の《阿国歌舞伎図屛風》の言及

【芝居絵】より

…すなわち桃山時代から江戸時代初頭にかけての肉筆風俗画では,はじめ〈洛中洛外図〉や〈京名所図〉などの屛風画の一部に,北野神社社頭や四条河原の歌舞伎小屋が描き込まれ,ついで歌舞伎小屋とその周辺にくりひろげられる風俗事象を活写した〈歌舞伎屛風〉が成立する。こうして芝居絵は,いわゆる近世初期風俗画の重要な部分をになうことになるが,残された多くの作例の中から今かりに《阿国歌舞伎草紙》(大和文華館),《阿国歌舞伎図屛風》(山本家),《采女(うねめ)歌舞伎図巻》(徳川黎明会),《若衆歌舞伎図屛風》(大津賀家),そして伝菱川師宣筆《歌舞伎図(中村座内外図)屛風》(東京国立博物館)という各時期の代表的な作例をたどってみると,お国歌舞伎から遊女,若衆,そして野郎歌舞伎へと展開した初期歌舞伎の様態の変遷を,一目して了解することができる。芝居絵が,単に美術鑑賞の期待にこたえるばかりでなく,歌舞伎研究の貴重な画証資料として尊ばれるゆえんである。…

※「《阿国歌舞伎図屛風》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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