《黄金の鎖》(読み)おうごんのくさり

世界大百科事典(旧版)内の《黄金の鎖》の言及

【イディッシュ文学】より

…メンデレは《不具者フィシュケ》(1888),《ベンジャミン3世の放浪》(1878)で貧困にあえぐ男や夢想に取り憑かれた男の遍歴譚を描き,ユダヤ社会にわだかまる観念主義や偏見を風刺し,シャローム・アライヘムは《イディッシュ人民文庫》(1888‐89)発行によってユダヤ文学興隆に貢献するとともに,《メナヘム・メンドル》(1892),《牛乳屋テビエ》(1894)など,連作の諸短編でロシア圧政下の小村落に住むユダヤ庶民の姿をユーモアと哀感のあふれる文章で活写し,多数の読者を獲得した。ペレツはハシディズム信奉の強固な伝統主義と新しく勃興した近代進歩思想の相克するはざまに立って,神秘性・宗教性を帯びた多くの民話や短編,さらに戯曲《黄金の鎖》(1911),《古き市場の夜》(1914)で,ユダヤ民族に課された複雑な状況に対し鋭利な内省的検討を加えた。これらのいわゆる古典的三大作家の影響を受け,多数の有能な若手作家が輩出し,1860年代から第2次大戦前までの期間,イディッシュ文学はリトアニア,ポーランド,ニューヨークにおいて黄金時代を迎える。…

※「《黄金の鎖》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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