《黄金の頭》(読み)おうごんのかしら

世界大百科事典(旧版)内の《黄金の頭》の言及

【クローデル】より

…詩句の本質,その演劇や音楽とのかかわりについてのマラルメ晩年の思索から深い示唆を受ける。ワーグナーの神話的楽劇,アイスキュロスの悲劇(のちに自ら〈オレスティア三部作〉を翻訳している),シェークスピアとエリザベス朝演劇,あるいは89年パリ万国博で見た安南の芝居といった,始原的でもあり統合的でもある演劇の要請のもとに,独自の自由詩型(クローデル風長短詩句(ベルセ))による《黄金の頭(かしら)Tête d’or》(初稿1889,90刊,改稿1894)に始まる初期劇作を行うが,それは地上世界において絶対の呼びかけを聞いてしまった青年詩人の野性の魂の多様な表白であった(《都市La ville》初稿1890,改稿1898,《交換L’échange》1894,《七日目の休息Le repos du septième jour》1896)。肉体の息と精神の息を同時に目に見えるものにするその詩句は,読む者,演ずる者の全存在を動員する音声言語の譜面だといえる。…

※「《黄金の頭》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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