「飛鳥会」理事長業務上横領・詐欺(読み)あすかかいりじちょうぎょうむじょうおうりょうさぎ

知恵蔵 の解説

「飛鳥会」理事長業務上横領・詐欺

大阪府警は2006年5月8日、大阪市の外郭団体から事実上の同和対策事業として、独占的に駐車場運営を業務委託されてきた財団法人「飛鳥会」(大阪市)の理事長(当時72)を、業務上横領容疑で逮捕した。理事長は部落解放同盟の地元支部長(6月に除名)も務め、大阪市の同和行政に強い影響力を持つとされてきた。1970年代後半まで指定暴力団山口組系暴力団幹部だった。この駐車場をめぐっては、飛鳥会が随意契約で業務を受託した翌年の75年以来、市議会で繰り返し契約の不透明さが指摘されてきた。着服総額は1億3120万円にのぼるという。捜査過程で、理事長が健康保険証を不正取得していたことが発覚、詐欺容疑でも逮捕された。府警の調べや起訴状によると、大阪市職員(当時59)と共謀して03年9月、山口組系暴力団の元組長や村田吉隆・元国家公安委員長の有力後援者、理事長の妻の3人を、社団法人「大阪市人権協会」傘下の「飛鳥人権協会」の職員と偽り、3人とその被扶養者分を含む健康保険証カード計7枚をだまし取ったとされる。

(緒方健二 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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