あぶみ骨(読み)あぶみこつ

世界大百科事典(旧版)内のあぶみ骨の言及

【あご(顎)】より

… 爬虫類の顎骨の構成は基本的には両生類と同様だが,古生代後期から現れた高等な種類では下顎の歯骨が拡大した一方,その他の皮骨が退縮または消失する。両生類の耳小柱は高等爬虫類においてあぶみ骨となる。両生類から爬虫類・鳥類までは,口の天井つまり口蓋はそのまま頭蓋骨の天井で,鼻腔と口腔は同じものであるが,ワニや哺乳類に近づいた高等爬虫類では前顎骨・上顎骨・口蓋骨(ワニでは翼状骨も)が両側から張り出して1枚の二次口蓋をつくり,これが鼻腔と口腔を隔てるようになる。…

【耳小骨】より

…もとの舌顎骨は中耳の空間に移って棒状の耳小骨となり,鼓膜の内面と内耳の卵円窓を橋渡しする。この単一の耳小骨を耳小柱(あぶみ骨)という。爬虫類になると,耳小柱の外方端の近くに上顎の方形骨と下顎の関節骨(いずれももとは顎弓の一部)が位置し,これらがあごの関節をつくる。…

【中耳】より

…したがって,中耳の空間(鼓室)は軟骨魚類の呼吸孔と相同のもので,もとは原始魚類の鰓孔だったのである。両生類,爬虫類,鳥類の単一の耳小骨(耳小柱)は哺乳類では〈あぶみ骨〉になっている。祖先の爬虫類で顎関節をつくっていた上顎の方形骨と下顎の関節骨が変形・転位し,ともに中耳の空間に入り,それぞれ第2,第3の耳小骨,すなわち〈きぬた骨〉と〈つち骨〉になった。…

【耳】より

…ところが爬虫類のなかから進化した哺乳類では,爬虫類段階で顎関節をつくっていた頭蓋側の方形骨と下顎後端の関節骨が縮小変形して鼓室の中に入り,それぞれ第2,第3の耳小骨になった。ここで哺乳類の大きな特色である三つの耳小骨の連鎖が完成し,もとの耳小柱は〈あぶみ骨〉,第2・第3の耳小骨はそれぞれ〈きぬた骨〉〈つち骨〉と呼ばれることになる(このため両生類などの耳小柱をあぶみ骨と呼ぶこともある)。哺乳類ではつち骨が鼓膜に内接するが,鼓膜のその部分は哺乳類の成立とともに新たに加わったものであるといわれている。…

※「あぶみ骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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