いの(読み)イノ

精選版 日本国語大辞典 「いの」の意味・読み・例文・類語

い‐の

(終助詞「い」に終助詞「の」が付いたもの) 文末に用いて、感動や呼びかけ、強調を表わす。「いのう」の形でも使われる。
狂言記伯母が酒(1660)「さればいの」

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デジタル大辞泉 「いの」の意味・読み・例文・類語

い‐の[終助]

[終助]《終助詞「い」+終助詞「の」から。近世語体言動詞助動詞命令形感動詞接続詞、助詞に付く。感動・呼びかけの意を表す。…ねえ。
先度の文にも言ふ通り、竜田の藤がこと―」〈浄・淀鯉

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改訂新版 世界大百科事典 「いの」の意味・わかりやすい解説

いの[町]

高知県中央部の吾川(あがわ)郡の町。2004年10月伊野(いの)町と吾北(ごほく)村,本川(ほんがわ)村が合体して成立した。人口2万5062(2010)。

いの町南部の旧町。吾川郡所属。人口2万4612(2000)。仁淀川中流東岸に位置し,高知市の西に接する。中心の伊野は,江戸時代に土佐紙発祥の地といわれる成山とともに,土佐藩の御用紙製造地として保護されて発展した。町の産業は製紙業を主とし,印刷業や,仁淀川水系を利用した製材業が行われる。農業は東・南部に広がる平地での施設園芸や果樹の栽培が盛んで,特にショウガの産地として知られる。中心部をJR土讃線,国道33号,194号線が走り,近年は高知市のベッドタウンとして住宅地化が進んでいる。高知自動車道のインターチェンジがある。

いの町中部の旧村。吾川郡所属。人口3358(2000)。仁淀川支流の上八川川流域に位置する。村のほぼ全域を山林が占める,典型的な山村で,南部を西流する上八川川とその支流に沿ってわずかに耕地が開け,集落が点在する。古くから南の製紙業地伊野への製紙原料の供給地としてミツマタ,コウゾを盛んに生産し,大正期までは舟で運んでいた。現在は林業のほか,米作,養蚕,畜産などが行われ,コンニャク,茶,スイカなどの栽培も加わる。近年は出稼ぎなどによる労働力の流出が著しい。

いの町北部の旧村。旧土佐郡所属。人口759(2000)。吉野川源流域に位置し,北部には石鎚山脈の筒上山(1859m),瓶ヶ森(かめがもり)(1896m),寒風山(1763m),笹ヶ峰(1859m)などがそびえ,愛媛県と境する。かつて当村から東隣の大川村を含む一帯は本川郷とよばれ,周囲から隔絶した山間地で,中世には〈本川五党〉と称する5人の土豪がいた。寺川は石鎚山への登山口だが,江戸中期,同地に駐在した土佐藩山廻役春木氏の記した《寺川郷談》は,焼畑や狩猟など当時の生活や習慣をよく物語る。村域西部の手箱山(1806m)には近世初期の氷室跡がある。林業が主で,杉,ヒノキの木材やシイタケ,ワサビなどを産する。東部を国道194号線が通り,寒風山トンネルを抜けて愛媛県西条市に通じる。北部は石鎚国定公園に含まれ,越裏門(えりもん)の山中家住宅は重要文化財。村内の氏神社の秋祭に奉納される本川神楽は重要無形民俗文化財〈土佐の神楽〉の一つ。
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