いやさ(読み)イヤサ

デジタル大辞泉 「いやさ」の意味・読み・例文・類語

いや‐さ

[感]感動詞「いや(否)」+終助詞「さ」から。「いや」を強めていう語》
相手言葉を押さえ、自分の考えを述べようとするときに用いる語。
「―、侍が町人にかやうに踏み叩かれ、おめおめ帰りて済むか」〈伎・壬生大念仏
自分が今言ったことを取り消したり、訂正したりするときに用いる語。
「もし、お富、―、お富さん」〈伎・浮名横櫛

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「いやさ」の意味・読み・例文・類語

いや‐さ

感動〙 (感動詞「いや」に助詞「さ」の付いたもの)
① 相手のことばを押えて、自分の意志を強く述べようとする時に発することば。
浄瑠璃蝉丸(1693頃)二「いやさ、てうてき(朝敵)にもせよ、とんてきにもせよ、ぶし武士)の一言(ごん)りんげん(綸言)よりおもし」
② 言い直すときに発することば。
歌舞伎韓人漢文手管始唐人殺し)(1789)一「今日(けふ)稲荷に於て、此贋金を玉に使ふて、イヤサ、こりゃこな様(さん)方の悪洒落(じゃれ)サ」

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