いわき

精選版 日本国語大辞典 「いわき」の意味・読み・例文・類語

いわき いはき

〘名〙
植物おおばいぼた(大葉水蝋)」の異名。〔日本植物名彙(1884)〕
② 植物「コエンドロ」の異名。〔薬品手引草(1778)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「いわき」の意味・わかりやすい解説

いわき[市]

福島県浜通り南部を占める市。1966年平(たいら),磐城(いわき),勿来(なこそ),常磐,内郷の5市と石城(いわき)郡下の四倉町,遠野町,小川町ほか4村および双葉郡の久之浜町ほか1村が合体して新設された。面積は1231km2で,2003年静岡市(1374km2)に抜かれるまで全国の市の中で第1位であった。人口34万2249(2010)。市域は主として花コウ岩類よりなる阿武隈高地に属する山地部と,第三系よりなる丘陵地および夏井川,藤原川,鮫川などの下流域にある沖積地を含む低地部からなり,東は太平洋に臨む。この市域は旧石城郡の全域と双葉郡の一部を含む広大な地域のため,近世には岩城氏城下町としての平(磐城平),港町としての小名浜,四倉,江名,低地部の稲作を主とする農村,山地部の農林業地域と多彩な性格を有していた。幕末における常磐炭田の開発と明治以降の常磐線(1897),磐越東線(1915)の開通などにより,平には商業・行政機能が集中し,湯本,内郷などには炭鉱集落が形成され,小名浜,勿来には工業が発達した。さらに小名浜港が貿易港として整備され,1964年郡山地区とともに新産業都市に指定され,小名浜港湾の拡張整備と小名浜・勿来地区の工場誘致が進められた。76年大手炭鉱の閉山により,人口は合体当時より一時減少したが,常磐自動車道,磐越自動車道の分岐点となり,電気機器,化学を中心に県下1位の工業出荷額(1995)をあげ,人口は増加の傾向にある。市役所のある平は城下町から発達し,交通の便がよく商業・行政・文化の中心地である。小名浜は東廻海運で栄え,その後港湾の整備とともに臨海工業地帯となり,また沖合・遠洋漁業の根拠地でもある。旧常磐市の中心湯本(常磐湯本温泉)は古くからの温泉地で観光保養の中心地となっており,内郷の白水には国宝願成寺(がんじようじ)阿弥陀堂があり,勿来は勿来関で知られる。2011年3月の東日本大震災では死者行方不明351人,全壊住宅5620戸にのぼった。
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世界大百科事典(旧版)内のいわきの言及

【小名浜】より

…1951年重要港湾に指定されてからは周辺の工業化がはかられ,とくに64年新産業都市指定後,内陸交通の整備も進み,漁港,商港,貿易港として発展をみている。この間54年磐城市となり,66年いわき市に編入された。【青木 美智男】。…

【好島荘】より

…福島県いわき市北部を占めた荘園。1186年(文治2)陸奥国岩城郡飯野郷赤目崎(のち平城の地)に石清水八幡宮より御正体を勧請して岩城郡八幡宮(飯野八幡宮)が創建された。…

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