おおぐま(大熊)座(読み)おおぐまざ

改訂新版 世界大百科事典 「おおぐま(大熊)座」の意味・わかりやすい解説

おおぐま(大熊)座 (おおぐまざ)
Ursa Major

略号UMa。北天の大星座。星座の主体をなすのは北斗七星と呼ばれる7個の輝星で,ヨーロッパでも大さじとか,車の形に見たてていた。ひしゃくの升は熊の胴体,柄は長いしっぽになるが,北極星から立ち上る小型のひしゃくに対し,おおぐま,こぐまと対比される。ギリシア神話では大神ゼウスの愛をうけたニンフカリストで,ヘラまたはアルテミスによって熊にされたという。α星はズーベと呼ばれる1.9等の赤色巨星でスペクトル型はK0。距離96光年で,4.8等の伴星をともなっている。柄の先から2番目のミザルは,小望遠鏡で分離できる二重星であり,その主星自身は分光連星である。そのそばに見える4.2等星はアルコルという名だが,中国では輔星宰相の星)として注目された。また柄の先端は破軍星と呼ばれ,武将の信仰を集めた。北斗七星の大半は日本では日周運動によって地平線下に沈むことがない。このような星を周極星という。銀河も多く,M81,M101は,それぞれ850万光年,1400万光年の距離にあるSb型とSc型の渦巻銀河,M82は1000万光年の距離にある不規則銀河で,強い電波源である。M97はふくろう星雲と呼ばれる惑星状星雲である。概略位置は赤経11h0m,赤緯+58°。午後8時の南中は5月上旬。
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百科事典マイペディア 「おおぐま(大熊)座」の意味・わかりやすい解説

おおぐま(大熊)座【おおぐまざ】

北天に一年中見える星座。夕方南中するのは初夏北斗七星をもつ有名な星座で,αズーベ,βメラクの2星を結んで延長すると北極星にあたる。ギリシア神話でヘラの嫉妬(しっと)のためクマに変えられたゼウスの愛人カリストを象徴

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