おひつじ(牡羊)座(読み)おひつじざ

改訂新版 世界大百科事典 「おひつじ(牡羊)座」の意味・わかりやすい解説

おひつじ(牡羊)座 (おひつじざ)
Aries

略号Ari。黄道十二宮の一つ。ギリシア神話では,父王に憎まれた兄妹フリクソスとヘレを乗せて黒海東岸のコルキスまで飛ぶ金毛の牡羊で,途中妹のヘレを落としたところがヘレスポントス海(現,マルマラ海)であるという。ギリシア時代には春分点はこの星座にあり,〈牡羊の原点〉と呼ばれていたが,現在では歳差運動によって春分点は東隣のうお座に移っている。α星はハマルと呼ばれる2.2等,スペクトル型K2の赤色巨星で,80光年の距離にある。β星は2.7等の分光連星。γ星も4.7等と4.8等の小望遠鏡で観測できる連星である。渦巻銀河NGC772がある。概略位置は赤経2h30m,赤緯20°。午後8時の南中は12月下旬。
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百科事典マイペディア 「おひつじ(牡羊)座」の意味・わかりやすい解説

おひつじ(牡羊)座【おひつじざ】

12月下旬の夕方天頂よりやや南に見える星座。α星はハマル。古くは春分点がここにあったので十二宮の第1宮とされた。ギリシア神話でアルゴ船遠征隊が求めた金色の毛をもつヒツジ象徴

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