お染・半九郎(読み)おそめ・はんくろう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「お染・半九郎」の解説

お染・半九郎 おそめ・はんくろう

浄瑠璃(じょうるり),歌舞伎登場人物
旗本菊地半九郎は祇園(ぎおん)の遊女お染を,家宝の刀を金にかえ身請けしようとするが,たまたま友人の弟を殺してしまい,ふたりは心中する。寛永3年(1626)京都鳥辺山でおきた心中事件を題材近松門左衛門が作品化。大正4年には岡本綺堂戯曲鳥辺山心中」が評判となる。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のお染・半九郎の言及

【鳥辺山心中】より

…近代的な恋愛至上主義をうたいあげた名作で,脚本に指定された古風な義太夫も新鮮にひびき,〈清きおとめと恋をして〉〈鳥辺の山を死場所と〉などの名せりふで一世を風靡した。初演の左団次・松蔦以降,3世寿海・2世芝鶴から,10世市川海老蔵・5世坂東玉三郎に至るまで,お染・半九郎は多くのコンビによって繰り返し上演され,古典としての位置を得ている。遊女お染も,従来の遊女の類型を破った美しさがみられ,半九郎も純情な青年の多感さを遺憾なく表現,近代的な人物像の一種の典型を示している。…

※「お染・半九郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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