お駒/才三郎(読み)おこま/さいざぶろう

朝日日本歴史人物事典 「お駒/才三郎」の解説

お駒/才三郎

江戸時代の浄瑠璃,歌舞伎の登場人物。享保12(1727)年,材木商白子屋の娘お熊が,手代忠八,母常などと婿の殺害を謀り,死罪となった。お熊は引き回しのとき,白無垢の上に黄八丈の小袖を着て,首には水晶数珠を掛けていたという。これを白子屋事件といった。このお熊をお駒と変えて主人公にしたのが,安永4(1775)年,江戸外記座上演の人形浄瑠璃「恋娘昔八丈」である。才三郎(才三)はお駒の恋人で,荻原家の家老の息子であるが,お家の重宝詮議のため髪結いになっている人物として描かれている。その後,多くの歌舞伎や浄瑠璃の題材になり,河竹黙阿弥作「梅雨小袖昔八丈」(1873)は人気狂言である。

(近藤瑞男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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