からから

精選版 日本国語大辞典 「からから」の意味・読み・例文・類語

から‐から

〘副〙
① (多く「と」を伴って用いる) さわやかに高く笑う声を表わす語。
平家(13C前)一一「からからとわらひ給へば」
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉写生帖「旧を談じて呵々(カラカラ)と笑ひ」
② 金属の器など、堅い物が、ふれあってたてる音を表わす語。大きく、あかるく響く音を表わす。
源氏(1001‐14頃)賢木「法師ばらの閼伽(あか)奉るとて、からからと鳴らしつつ」
③ 特に、車などが、調子よく回る音を表わす語。
※大鏡(12C前)三「御くるまの装束をさながらたてさせたまひて、おのづからとみのことの折に、とりあへずとおしひらかば、からからと、人もてもふれぬさきにさしいださんがれうと」
※不如帰(1898‐99)〈徳富蘆花〉上「車井の響(おと)珂々(カラカラ)と」
足音の高く響く音などを表わす語。
※虎寛本狂言・竹生島参(室町末‐近世初)「某はいぬるで候と申て、あたりの在所へ、くらくらとかけて参りました」
⑤ 転げまわるさまを表わす語。
今昔(1120頃か)二七「俄に取組て、からからと上に成り下に成り為るを」

から‐から

[1] 〘形動〙
① 物が乾ききっているさまを表わす語。〔俚言集覧(1797頃)〕
青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋「赤くなったカラカラの葉が」
器物などの内がからで、何もないさまを表わす語。
※鉛筆ぐらし(1951)〈扇谷正造〉ゲンマン記者「水汲みに出かける、ドラムカンの一本はもうカラカラなのである」
③ 無一文であるさまを表わす語。
浮世草子・新色五巻書(1698)一「籠にのる知恵はつきしかど、出銭(つかいせん)なきからからの身」
[2] 〘副〙 物が乾ききっているさまを表わす語。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)五「口中(くち)はからから干(かわい)て居るゆゑ」

から‐から

〘名〙
① 干した鮭をいう女房詞。〔大上臈御名之事(16C前か)〕
② 鰹(かつお)をいう女房詞。おかつ。
※大上臈御名之事(16C前か)「かつほ。おかつ。からから共」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「からから」の意味・読み・例文・類語

から‐から

[副](スル)
堅い物が触れ合って立てる、響きのよい、軽い感じの音を表す語。「高下駄からから(と)鳴らして歩く」
車などが軽快に音を立てて回るさま。「矢車からから(と)回る」
高らかに笑う声を表す語。「からから(と)大笑する」
[形動]
水分がすっかりなくなっているさま。「のどがからからに渇く」
器物の中がからで、何もないさま。「財布からからだ」
アクセントラカラ、はカラカラ
[類語]1ちゃらちゃらちゃりんじゃらじゃらちりんちりんがちゃがちゃかたりがたりかたんがたんかたかたがたがたかたことがたごとことことごとごとことりごとりことんごとんこんこんこんごんごんがつんこつんごつんかちゃかちゃかちりかちかちこつこつどんとんとんとんどんどんかちゃりがちゃりかちゃんがちゃんかちんがちんがらがらがらりかんかんがんがんころころごろごろからんころんぽんぽんどたどたどかどかどっとどすどすどしどしばんばんどてんどたんどたりすとんずどんずしんずしりどすんどさりどしりどかんどしんばあんぱあんぱたりばたりばたんぼおんぽおんぽんとぽんぽこぼこぼこぽこぽこぽくぽくちんちん/(2くるりぐるりくるりくるりぐるりぐるりくるっとくるくるぐるぐるくりくりぐりぐりころころごろごろがらがらころりごろり/(3呵呵薄笑い忍び笑い盗み笑い嘲笑冷笑嗤笑ししょうあざ笑う薄笑うせせら笑う鼻で笑う1からりとからっと

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