デジタル大辞泉
「からして」の意味・読み・例文・類語
から‐して
[連語]
1 《格助詞「から」+副助詞「して」》体言、またはそれに準じる語を受ける。
㋐…から後。「この時からして生活が変わった」
㋑…をはじめとして。「言うことからしてなまいきだ」
2 《接続助詞「から」+副助詞「して」》活用語の終止形を受け、…ゆえに、…から、の意を表す。「信用しているからして、仕事を任せたのだ」「そんなわけだからして、了承してもらいたい」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
から‐して
[一] (
起点を表わす格助詞「から」に、
形式化してほとんど
意味をもたない「して」の付いたもの) 体言または体言と同資格の語を受け、「…から後」「…からはじめて」「…をはじめとして」の意を表わす。→
助詞「から(一)⑤」。
※
史記抄(1477)三「
東周と云は考王弟からしての事ぞ」
※
吾輩は猫である(1905‐06)〈
夏目漱石〉二「態々
(わざわざ)こんな話しをしに来るのからして
合点が行かぬが」
[二] (
接続助詞「から」に、(一)と同じく「して」が付いたもの) 活用語の終止形を受け、「…から」「…故に」の意を表わす。
※
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉九「美しい顔をして
君子を陥れたりするハイカラ野郎は
一人もないと信ずるからして、君の如き温良篤厚の士は必ず其地方一般の
歓迎を受けられるに
相違ない」
から‐して
〘接続〙 (接続助詞のように用いる「からして」から転じたもの)
先行の
事柄の当然の
結果として、後行の事柄が起こることを示す。
理由。だから。だからして。
※
浮雲(1887‐89)〈
二葉亭四迷〉二「渠奴
(きゃつ)必ず
邪魔を入れるに相違ない。からして厭でも昇に親まなければならぬ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報