がり

精選版 日本国語大辞典 「がり」の意味・読み・例文・類語

がり

〘名〙 隠語
① 娘、また嫁を、人形浄瑠璃社会などでいう。
洒落本・虚実柳巷方言(1794)中「娘 がり」
てきや・露天商・盗人仲間でいう。
(イ) (「しんがり」の略か) 子ども、幼児のこと。〔日本隠語集(1892)〕
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉三「俺んとこもガリ(子供)ができた」
(ロ) (「しんがり」の略) 露店などで、店を出す場所の一番はずれのところ。
※笹まくら(1966)〈丸谷才一〉二「裾(ガリ)というのは店を張る場所としてはいちばん不利だということを」
③ (「がりがりとかじる」ところから) 生薑(しょうが)すし屋でいう。

がり

〘名〙 「がりばん(━版)」の略。また、「がりを切る」などの形で用い、謄写印刷で、やすりの上に置いた原紙鉄筆文字や絵などを書くことをいう。
※赤い孤独者(1951)〈椎名麟三〉二「ガリが書けなくて毛筆専門にやっていたが」

がり

〘名〙 しかること。叱責譴責(けんせき)。「がりを食(く)う」の形で、しかられるの意にいう。
※歌舞伎・因幡小僧雨夜噺(1887)四幕「親分に、がりを喰ふのが見える様だ」

がり

〘副〙 (「ごうり毫厘)」の変化した語か) まったく。少しも。寸分
葬列(1906)〈石川啄木〉「これと毫厘(ガリ)寸法の違はぬ女が、昨日の午過、伯父の家の門に来て」

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デジタル大辞泉 「がり」の意味・読み・例文・類語

がり

責めとがめること。譴責けんせき。「がりを食う」

がり

がりばん」の略。「がりを切る」

がり

すしに添える甘酢しょうが。食べるときの音からの名という。

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普及版 字通 「がり」の読み・字形・画数・意味

吏】がり

門の吏。

字通」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「がり」の解説

がり

すしに添えて出す、しょうがの甘酢漬け。しょうがを薄切りにして軽くゆで、甘酢に漬けて作る。◇ガリガリとかむところからこの名があるとされる。「ガリ」とカタカナで書くことも多い。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のがりの言及

【マグロ(鮪)】より

…刺身やすし種としてもっとも価値が高い。ただし,産卵後のものは〈がり〉とか〈らっきょ〉とかいわれ身が柔らかく不味である。同様に肉に脂っ気が多く身が赤いミナミマグロの価値も高い。…

※「がり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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