がん漬(読み)ガンヅケ

デジタル大辞泉 「がん漬」の意味・読み・例文・類語

がん‐づけ【がん漬(け)】

《「かに漬け」の音変化》シオマネキなど小形のカニを殻のまますりつぶし、塩とトウガラシを加えて発酵させたもの。佐賀県郷土料理。がに漬け。がね漬け。

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デジタル大辞泉プラス 「がん漬」の解説

がん漬

九州、有明海沿岸地域の郷土料理。シオマネキなど、干潟にすむ小型のカニを砕いてつくる塩辛一種

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世界大百科事典(旧版)内のがん漬の言及

【シオマネキ(潮招)】より

…雄のいずれか片方のはさみ脚が異常に大きい甲殻綱スナガニ科のカニ。甲幅3cmに達し,甲は前方が広く,後方が強く狭まっている。暗青緑色で甲の中央に紫の網目模様がある。はさみは赤褐色。有明海沿岸から鹿児島,宮崎,種子島,朝鮮半島南部,中国北部に分布する。インド洋,南太平洋に分布していて同種とされていたものは,ごく近縁のヤエヤマシオマネキU.dussumieriかリュウキュウシオマネキU.coarctataの誤りである。…

【漬物】より

…葅の名は養老令にも見えており,ときには漬物の総称としても用いられているが,《延喜式》によると,塩とともにニレの樹皮の粉末を用いて漬けたもので,アオナ,カブ,ニラ,セリ,タデ,タケノコなどを漬けている。《万葉集》巻十六に乞食者(ほかいびと)がカニにかわってその痛みを述べたという長歌があり,ふつうカニがニレの粉と塩を塗られて干物にされることを詠んだものと解釈されているが,これはカニを材料にした葅で,現在の佐賀の〈がん漬〉のようなものだったかもしれない。須須保利は塩とダイズ,あるいは米を使ってカブ,アオナなどを漬けたもの,荏裹はウリ,トウガン,ナス,カブ,ショウガなどをエゴマの葉で包み,塩,醬,未醬などに漬けたもので,今のシソ巻のようなものだったと思われる。…

※「がん漬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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