きちきち

精選版 日本国語大辞典 「きちきち」の意味・読み・例文・類語

きち‐きち

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 堅い物がきしんだり、こすれたりぶつかったりして出す音を表わす語。
歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)序幕「どうやら縄が切れさうで、きちきちしますよ」
咽喉に物がつまってむせたりする音を表わす語。ぎちぎち。
※名語記(1275)六「食物にむせもし、或はのうふゑをとられたる人のきちきちときちめくなどいへるきち、如何」
③ 鳥などの鳴き声を表わす語。
※名語記(1275)六「もずといふ鳥のきちきちとなく、心ありや」
④ 規則正しいさま、凡帳面なさまを表わす語。きちんきちん。
多聞院日記‐天正一八年(1590)八月六日「今度祈祷被付札上、造作九百三文入了。各きちきちと申間」
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉一一「一切きちきちと四角づめ」
[2] 〘形動〙 物の分量寸法時間、また経済状況などが窮屈で、ゆとりがないさま。
※微温(1909)〈水野葉舟〉一「キチキチの生活をして居た」
激浪(1944)〈山口誓子〉「きちきちの身近く下りて相親し」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「きちきち」の意味・読み・例文・類語

きち‐きち

[副]
堅い物がこすれたり当たったりする音を表す語。
「―ときしる音の物凄さ」〈露伴五重塔
正確に、または規則正しく物事をするさま。きちんきちん。「部屋代きちきち(と)払う」
[形動]空間・分量・時間などに、ゆとりがないさま。「きちきちに詰め込む」「きちきちな靴」「きちきちスケジュール
アクセントチキチ、はキチキチ
[類語]2ぽっきりきっちりちょうどちょっきりジャストきっかりかっきりぴったりかっちりちゃんとしゃんときちんときちんきちんきりっとぴたっとぴたりどんぴしゃり過密稠密ちゅうみつ櫛比しっぴ所狭しと軒を並べる立錐の余地もないぎしぎしぴちっとぴちぴちぴっちりぴったりきっちりぎっしりぎっちりぎゅうぎゅうびっしりぎちぎち

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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