きっぱり(読み)キッパリ

デジタル大辞泉 「きっぱり」の意味・読み・例文・類語

きっぱり

[副](スル)態度をはっきりと決めるさま。「きっぱり(と)あきらめる」「きっぱり(と)した態度」
[類語]潔い潔癖堂堂正正堂堂高潔潔白清純純潔廉直清廉廉潔貞潔断固断然毅然断じて頑として屹度きっとびしびし心を鬼にする

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「きっぱり」の意味・読み・例文・類語

きっぱり

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
言動や様子が明確なさまを表わす語。
(イ) 様子がはっきりと目立っているさま。
※評判記・野郎虫(1660)上原庄太夫「なりかっかう、きっはりとある所は」
(ロ) 自分の意志をはっきり表わすさま。断然。〔和英語林集成(再版)(1872)〕
明暗(1916)〈夏目漱石〉一三五「『いいえ』と夫人は切(キ)っ張(パ)り否定した」
芝居で、俳優の動作または台詞(せりふ)をきわだたせて効果をあげるようにするため、合方を一段と高く強める場合に用いる語。
歌舞伎勧善懲悪覗機関村井長庵)(1862)六幕「合方きっぱりとなり、千太郎内へ入る」
[語誌](1)江戸時代前期には「際立って」と類義であり、視覚活動によって知覚できる対象の様子が明確なさまを表わした。明治時代初期にはすでに、主体の意志的な態度を伴う言動が明確なさまを表わす用法が定着していた。この時点で江戸期の用法は衰えており、同時期に用いられていた類義語「はっきり」に取って代わられていたと考えられる。
(2)現代語では「きっぱり」が言動について用いられ、「はっきり」は言動と知覚の両用法を持っている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android