デジタル大辞泉
「きっぱり」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
きっぱり
〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
(イ) 様子がはっきりと目立っているさま。
※評判記・野郎虫(1660)上原庄太夫「なりかっかう、きっはりとある所は」
(ロ) 自分の
意志をはっきり表わすさま。断然。〔和英語林集成(
再版)(1872)〕
※
明暗(1916)〈
夏目漱石〉一三五「『いいえ』と
夫人は切
(キ)っ張
(パ)り否定した」
②
芝居で、俳優の動作または
台詞(せりふ)をきわだたせて効果をあげるようにするため、合方を一段と高く強める場合に用いる語。
[語誌](1)江戸時代前期には「際立って」と類義であり、視覚活動によって
知覚できる対象の様子が明確なさまを表わした。明治時代初期にはすでに、主体の意志的な態度を伴う言動が明確なさまを表わす
用法が定着していた。この時点で江戸期の用法は衰えており、同時期に用いられていた
類義語「はっきり」に取って代わられていたと考えられる。
(2)現代語では「きっぱり」が言動について用いられ、「はっきり」は言動と知覚の両用法を持っている。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報