ぎゅうぎゅう

精選版 日本国語大辞典 「ぎゅうぎゅう」の意味・読み・例文・類語

ぎゅう‐ぎゅう

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 物がきしんだり、こすれたり、押しつけられたりして鳴る音を表わす語。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一「押し合って、御互にギューギュー云って居る」
ゆとりのないほど、強く締めたり、押しつけたりするさまを表わす語。
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一「石や棒ちぎれをぎうぎう井戸の中へ挿し込んで、水が出なくなったのを見届けて」
③ 押しつけられて、苦しむさま、また転じて、容赦なく責めたて苦しめるさまを表わす語。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「ぎうぎういはせてやるぞ」
[2] 〘形動〙
① 全く余裕のないほど一杯のさま。
野性誘惑(1947)〈長与善郎曲り角「やっと来たぎゅうぎゅうの車に」
② ひどい目にあうさま。
他所の恋(1939‐40)〈正宗白鳥〉七「首根っ子を掴まってぎゅうぎゅうに云はされてゐるんだとしたら」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ぎゅうぎゅう」の意味・読み・例文・類語

ぎゅう‐ぎゅう

[副]
物がきしんだり、こすれたりするときに鳴る音を表す語。「台車ぎゅうぎゅう(と)音をたてる」
強く締めつけたり、押しつけたりするさま。「帯をぎゅうぎゅう(と)締める」
無理に詰め込んだり押し込んだりするさま。「トランク荷物ぎゅうぎゅう(と)詰める」
人を強く責めたてるさま。また、責められてをあげるさま。「ぎゅうぎゅう言わせてやる」
[形動]
3に同じ。「荷物をぎゅうぎゅうに詰める」「場内若者ぎゅうぎゅうだ」
4に同じ。「ぎゅうぎゅうな目にあわせる」
アクセントギューギュー、はギューギュー
[類語]2ぎゅうきゅうきゅうぴたりひしとぎゅっときゅっとがっちりかっちりしかとしっかりがっしりむずとむんずと力ずく腕ずく力任せぐっとぐんとぐいとぐいぐいぐんぐんどんどん乱暴粗暴手荒手荒い荒っぽい荒荒しい力を込める3過密稠密ちゅうみつ櫛比しっぴ所狭しと軒を並べる立錐の余地もないぎしぎしぴちっとぴちぴちぴっちりぴったりきっちりぎっしりぎっちりびっしりぎちぎちきちきち

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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