くいくい

精選版 日本国語大辞典 「くいくい」の意味・読み・例文・類語

くい‐くい

〘副〙 (「くい」を重ねていう語。多く「と」を伴って用いる)
① 軽く二、三度引いたり押したりするさまを表わす語。
※兄の立場(1926)〈川崎長太郎〉六「小さな亀の子をくいくい動かした」
② 怒りがこみあげてくることを表わす語。
※漢書列伝景徐抄(1477‐1515)陳勝項籍第一「疸はものをくいくいとをもへ起る病ぢやほどに、はらをたつれば発するぞ」
③ 絶えず物事を気にかけることを表わす語。物事をあきらめきれず、いつまでも嘆き悔やむさま。また、愚痴などをならべたてるさま。くよくよ。くどくど。
※古文真宝笑雲抄(1525)一「心くいくいとなりきへ入るやうに思ふ人もあるべし」
④ 蛙・雁などの鳴く声を表わす語。きゅうきゅう。
名語記(1275)五「かへるの物にへされてなく音のクイクイときこゆる、如何」
⑤ 酒などを続けざまに飲むさまを表わす語。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「くいくい」の意味・読み・例文・類語

くい‐くい

[副]
小刻みに何度も引くさま。「小ブナがくいくい(と)糸を引く」
いつまでも思い切れずにいるさま。くよくよ。
心一つに―と思ひつめたる揚句には」〈浮・万金丹・三〉
[類語](1ちょんちょん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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