くぐもる

精選版 日本国語大辞典 「くぐもる」の意味・読み・例文・類語

くぐも・る

〘自ラ四〙 (古くは「くくもる」)
① 内にこもってはっきりしない、また、渾沌(こんとん)とした状態になる。
書紀(720)神代上(兼方本訓)「渾沌(まろかれたること)(とり)の子(こ)の如(こと)く、溟涬(ククモリ)て牙(きさし)を含(ふふ)めり」
※或る女(1919)〈有島武郎〉後「音曲の音がくぐもるやうに聞えて来たり」
② よく言えない状態になる。口ごもる。
評判記色道大鏡(1678)一四「とがむべき口も(ククモ)り、とらゆべき手もたゆくぞありける」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「くぐもる」の意味・読み・例文・類語

くぐも・る

[動ラ五(四)]《古くは「くくもる」》
声などが、中にこもる。はっきりしない。
「音曲の音が―・るように聞こえて来たり」〈有島或る女
口ごもる。
「とがむべき口も―・り」〈色道大鏡・一四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android