ぐれる(読み)グレル

デジタル大辞泉 「ぐれる」の意味・読み・例文・類語

ぐ・れる

[動ラ下一]
正しい道をふみはずす。不良化する。「若い時には―・れたこともあった」
予期した事が食い違う。見込みが外れる。
「こう毎月―・れる様では、それが為めに雇うて置く職工が動きませんで」〈泡鳴断橋

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぐれる」の意味・読み・例文・類語

ぐ・れる

〘自ラ下一〙 (「ぐれ」の動詞化したもの)
① 予期した事が食い違う。見込みがはずれる。齟齬(そご)する。
※人情本・氷縁奇遇都の花(1831)下「肝要の玉をもしもとりとめずば、添足と相議(だんがう)せし趣向がぐれて」
常軌を逸する。調子がはずれる。ずれたり曲がったりする。
※土(1910)〈長塚節〉一四「おとっつぁは酩酊(よっぱら)ったってそんなに顛倒(グレ)なけりゃよかっぺなあと独り呟いた」
③ 生活態度が地道でなくなる。不良化する。
※滑稽本・浮世床(1813‐23)三「イヤ全体かたいお方でございましたが、どうして又ぐれさしったか」
④ 逃げる。途中でいなくなる。
※つゆのあとさき(1931)〈永井荷風〉二「春さん。昨夜はグレたんぢゃないの。後で何かおごってよ」
⑤ ばれる。悪事が発覚する。てきや・盗人仲間の隠語
※落語・猫と鼠(1899)〈六代目桂文治〉「此方の面(つら)がぐれて居(を)るから茶屋へ呼びあげて口説(くどく)事にもならず」

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