ぐれ(読み)グレ

デジタル大辞泉 「ぐれ」の意味・読み・例文・類語

ぐれ

《「ぐりはま」の転「ぐれはま」の略》
まともな道から外れること。特に、盗みなどの悪事を働くこと。また、その者。
「その辺一帯を『何々』組の何々というような―が横行していた」〈多喜二・党生活者〉
物事がくいちがうこと。
「寸分違はぬ贋物を跡へ入れ置いたによって、今日まで―がこぬ」〈伎・幼稚子敵討

ぐれ

メジナ別名

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぐれ」の意味・読み・例文・類語

ぐれ

〘名〙 (「ぐりはま」の転「ぐれはま」の略)
① まともな道からそれること。また、それた者。
※雑俳・伊勢冠付(1772‐1817)「朝がへりのぐれ・化されさふな麦ばたけ」
② 盗みなどの悪事をはたらくこと。また、その者。
※歌舞伎・桜姫東文章(1817)二幕「そして北八、てめえ小盗みを廃せ。ぐれの癖が止まないぞ」
③ 江戸時代、若い女を雲助仲間でいう。
※歌舞伎・蝶鶼山崎踊(1819)序幕「『今爰(ここ)へ来た侍ひが云ふを聞けば、若い女を地蔵堂へ、待たせて置いたと云ったが』『そいつは好いぐれだ』」
④ 「ぐれやど(━宿)」の略。
※歌舞伎・玉藻前御園公服(1821)四立「オオ、岩蔵が云ふ通り、大臣(おとど)さんのぐれを尋ねる事だ」
⑤ 盗人・てきや仲間などの隠語
(イ) 不良青少年をいう。
※浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉一四「『かまきり小僧』といへば、浅草のグレ(宿なし少年)仲間の腕ききだったが」
(ロ) 浮浪者をいう。
※新版大東京案内(1929)〈今和次郎〉盛り場「五百人の宿なしが、公園を根城として生活してゐる。〈略〉所謂グレと称するものである」
(ハ) 物事の食い違うことをいう。〔隠語輯覧(1915)〕
(ニ) 仕事に精通することをいう。〔特殊語百科辞典(1931)〕
(ホ) (「ぐれが回る」の形で) 悪事が発覚することをいう。
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉四「ベユウ(昨夜)の一件はもうグレが廻った(発覚した)のか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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