デジタル大辞泉
「ころころ」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ころ‐ころ
[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① まるい物、また小さいものなどのころがって行く音、またはそのさまを表わす語。また、
車輪などがころがる音を表わす。
※
名語記(1275)九「車やるをとの、ころころ如何。かろらよかろらよの反、軽き心也」
② てんでんばらばらにあるさま、点在するさまを表わす語。
※
仙覚抄(1269)一五「
山菅は根の長くして、元の
くさむらより、はるかに
遠くのきて、ころころに生ひしげる草なれば」
③ まるいさま、特に子どもなどの丸々と愛らしく太っているさまを表わす語。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)五「鳥鍋に酒が三升、ころころとした
婦人(たぼ)の一めへもなア」
④ 鈴の鳴る音を表わす語。
※新撰六帖(1244頃)二「やをとめのふるてふ鈴のころころにななのやしろは宮居せりとぞ〈藤原家良〉」
⑤ 明るく笑いころげるさまを表わす語。
※俳諧・犬筑波集(1532頃)雑「山の
おくには何わらふらむ 谷川にこいしながれてころころと」
⑥ よろこぶさまを表わす語。
※二人女房(1891‐92)〈
尾崎紅葉〉下「其内に
懐姙の噂があって、実家の両親はころころ懽ぶ」
⑦ 蛙の鳴く声を表わす語。
※崖の下(1928)〈
嘉村礒多〉「
何処からともなく蛙のコロコロと
咽喉を鳴らす声が聞えて来ると」
⑧ たやすく死ぬさまを表わす語。また、たやすく倒れるさまや、負けるさまを表わす語。
※寄合ばなし(1874)〈榊原伊祐〉初「河豚くふたとて其様に、ころころと死ぬものではないとした所が」
※名語記(1275)九「ゑのこをよぶころころ、如何。答、きよれきよれの反。来寄也」
※
咄本・
一休咄(1668)二「ひるげのやきめし取出し、かの犬に一め見せてころころころとのたまへば」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報