ごわる

精選版 日本国語大辞典 「ごわる」の意味・読み・例文・類語

ごわ・る

〘自ラ四〙 (「ごある御座)」の変化した語) 江戸時代、主として奴(やっこ)用語であったが、通人なども用いた。
[一]
① 「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。
※浄瑠璃・男作五雁金(1742)安治川柴居足揃「コレ待(まて)ちょと逢たい。ハアテごはれ」
② 「ある」の意の丁寧語。ございます。あります。
評判記・役者評判蚰蜒(1674)浅田彦太郎「此君にかぎらず惣じてお子たちにいけんがこわる」
[二] 補助動詞「ある」の丁寧語。…でございます。…であります。
※評判記・吉原人たばね(1680頃)ふぢえ「何といふても、たのまれぬは、女郎心中、にくらしき物でごはるとな」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ごわる」の意味・読み・例文・類語

ごわ・る

[動ラ四]《「ごある」の音変化。江戸時代、主として、田舎者やっこなどの用いた語。通人も用いた》
「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。
「これ、待て。ちょっと逢ひたい。はあて、―・れと云ふに」〈浄・男作五雁金〉
「ある」の意の丁寧語。ございます。あります。
「ああ、ここから程は―・らぬ」〈浄・金短冊〉
(補助動詞)補助動詞「ある」の意の丁寧語。…であります。…でございます。
「臼をひけさの彦惣とも、京童うたひしは、身どもがことで―・ります」〈浮・万金丹・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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