さざめく(読み)サザメク

デジタル大辞泉 「さざめく」の意味・読み・例文・類語

さざ‐め・く

[動カ五(四)]
ざわざわと音をたてる。大勢の人が、にぎやかに音や声を立てて騒ぐ。ざわつく。さんざめく。「弦歌―・くちまた」「笑い―・く」
時を得て華やかに暮らす。時めく。
「春の宵の一刻千金と、―・き暮らしてこそ」〈漱石草枕
[類語]騒ぐはしゃぐぞめわめざわめくざわつく叫ぶ怒鳴る張り上げる喚き散らす喚き立てるがなるがなり立てるさんざめくざわざわするどよめくがやがやわいわいわあわあきゃあきゃあぎゃあぎゃあざわざわ

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精選版 日本国語大辞典 「さざめく」の意味・読み・例文・類語

さざ‐め・く

〘自カ五(四)〙 (「めく」は接尾語。「ざざめく」とも) 騒々しく音をたてる。ざわめく。
① ざわざわと音をたてる。にぎやかに音をたてる。
※太平記(14C後)四「冠珮(くゎんばい)(サザメイテ)堂上堂下如再開花
※御伽草子・唐糸草子(室町末)「八百八つのみす簾(すだれ)几帳もざざめいて」
② 大勢でよろこんだり、にぎやかに話をしたりして、あたりががやがやする。ざんざめく。
落窪(10C後)一「御乳母かの殿なりける人を知りたりけるを、よろこび給ひて、ささめき騒ぎ給ひて」
平家(13C前)七「つねの御所のかた、よにさわがしうざざめきあひて」
③ はなやかに時めく。はなやぐ。
※九州問答(1376)「晩唐のざざめきたる詩にも劣り侍るにや」
※草枕(1906)〈夏目漱石〉六「金屏を背に、銀燭を前に、春の宵の一刻を千金と、さざめき暮らしてこそ然るべき此装と」
④ 胸さわぎがする。ささめく。
※婉という女(1960)〈大原富枝〉四「腹を立てるそのことに、何か心のさざめくような愉しさがあることに、わたくしは当惑していた」
[語誌]→「ささめく」の語誌

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